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2005年11月24日 (木)

何かおかしい

構造計算書偽造事件の波紋は全国に広がり、深刻な様子を呈して来ている。この件について、建築物の指定確認検査機関である、イ-ホームズ株式会社について取り上げようとしたのだが、ふと「事の発端はどこから始まったのか」と疑問に思い、ぐぐってみたところ、「イ-ホームズの内部監査から発覚した」ようですな。
ふ~む、ちうことはイ-ホームズは無関係?
しかし、それでも疑問は残るんだよねぇ。というのも、構造計算とは非常に乱暴な言い方をすれば、「断面積計算の連続」といえる。つまり「最大荷重Xトンに耐えるには、単位面積あたりYキログラムの材料でZ平米の面積が必要」という計算なわけ。
もちろん、実際の計算はこんな単純なものではなく一言で「荷重」といっても、水平荷重もあれば垂直荷重もあり、靜荷重と動加重では必要な耐荷重性能も異なってくるのだが、基本は
変わらない。
んで審査とは「設計で指定された材料・工法で、計算された断面積の構造体が、必要な強度を持っているか」の検算を行って合否判定する訳ですよね。ということは耐荷重については法律で決まっているので、この数値は改竄のしようがないから、残るは「材料・工法による、強度」を誤魔化すしかないんでないのかとなります。だって計算式は不動だから、誤魔化せるのは変数の部分だけでしょ。そして合否判定の基準である「耐加重」は決まっているから、各変数の値はある範囲に収まってくる訳で、少なくとも必要強度の1/4だの1/3だのなんてとんでもない数値にはなり得ない訳です。

で、イ-ホームズの言い訳では「審査プログラムに前提条件を入力し、計算結果は合否判定されるだけだから、前提条件を偽造されては見抜けない」と言っているんだけど、だったら何で社内監査で見つかるんですかぁ?
先に挙げたリンク先では「サンプリング調査」といっているけど、1棟あたり数百ページに及ぶ案件の調査でしょ?
一件一件、検算するなんて方法はとっていないと思うんだよね。つまり先に書いた「自ずとある範囲に集まってくる」事から外れた案件について検算したと思う訳ですよ。
となると、日常業務において審査申請された書類の事前・事後のチェックは為されていなかった、と言えるのではないかな。
実際、姉歯某も「絶対に通らないと思ったのに、すんなり通ったので驚いた」って、言ってるしね。

以上の事を踏まえて、ここからは憶測ね。今回の事件は建築主(不動産屋)・建築設計事務所(姉歯)・審査機関(イ-ホームズ)・施工業者がグルになって行った、大規模な欠陥住宅販売だったのではないか。
偽造した姉歯建築設計事務所を除いく、残り三者のどの段階でも構造強度不足に気付く事が可能なんだよね。
なのに誰もそれを指摘していないんだから、これはグルでしょう。
では何故、イ-ホームズが告発したのか?だけど、これに関しては本当の理由は判らないなぁ。ただ、グルの中で「そろそろヤバイ」って危機感が出て来たのは確かだと思う。
んで、一番資本規模の小さい、姉歯がスケープゴートにされたのだと、σ(^^)は睨んでいるんだけどね。もしかすると施工業者である木村建設が、事件発覚後に早速不渡りを出した事が大きな鍵かもしれない。土木・建築や不動産業界では、計画倒産なんて珍しくもない話しだし、建築基準法違反の刑事処分だって上をみてもせいぜいが禁固刑でしょ。ましてや行政処分なんて無いにも等しいんだから。(この辺りをご存知の方、情報コメントを下さい)

家屋を含めた不動産の取得とは、庶民にとっては一世一代の大事業なんだけど、業界側はそんな事は屁の河童、無知な庶民のなけなしの財産を、食い逃げしてやろうって連中が大量に巣食う、魑魅魍魎・百鬼夜行の業界ってのは、現行の建築基準法や施行令の罰則規定が改定されない限り、改善されないでしょうなぁ。

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コメント

 オッ、早速吠えてますね。
私も今回のと言うか、こんな事件は全部だけど何故発覚したのかも良く分からない。関係者(居住者以外)の誰も腹を痛めてないのにね。
設計事務所は故意だから論外だけど、検査会社も全くのノーチェックでしょうね。

 データと計算結果が別物なのに、それをそれぞれ見ただけと言うから素人よりも単純というか悪質なようです。
 私が思うに、建築会社も普通なら気付いていると思いますよ。
現場の作業者ですら気付いていると思いますよ。
 鉄筋が細い、少ない、壁が薄いなどは少し経験を積んだ作業者なら肌で感じるはずです。
言うかどうかは別物ですがね。

 改ざんの圧力があったと言うけど、営利を目的とした会社なら大小はしたでしょうね。
その言うことを聞くと言うことは、プロとか専門家のプライドもない只の馬鹿者と見たけど如何かな

投稿: もと | 2005年11月24日 (木) 22時49分

もうけようと 思うと 色々考えるもんじゃねえ。
絶対 グルになってやってるに決まってるじゃん。
こっちでも 前回の建築ブーム(1980年代中後半)
問題のあるコンドミニアムが建設された。
今回のオリンピック景気につられての建築ブームでは
検査が厳しいから 大丈夫という前ぶれで 建つ前から完売!!と バイヤーを煽ってる。
ショウルームもあって こんな風に建てます、、と
公開しているが マッサオ&妻は そんな恐ろしい物には
手を出すなと 息子&娘に言ってる。
さて 今から大工知識や技術の向上に邁進して オンボロ家でも 買って改修したい~ッ!!
自分なら 信用出来るじょ。

投稿: 草刈マッサオの妻 | 2005年11月30日 (水) 01時55分

もとさん、草妻さん、コメント感謝です。

今日のニュースで、姉歯の改竄をみつけた設計士のインタビューが、流れていましたね。
もとさんや、私が書いていたように「図面を見てすぐに気が付いた」と。
姉歯については、とやかく言ってもね。建築業界に倫理観という物が無い事は、以前からも散々と言われて来ている事ですから。
事件の真相追求も大事ですが、その半分でも良いから業界批判に回すべきだと考えています。
でないと、今後は更に巧妙に誤魔化す大馬鹿者が出てくる。

草妻さん、悪いやつは洋の東西を問わず、どこにでもいるものです。
「自分で建てる、直す」はおっしゃる通り、自分が納得いくまで手間を掛けられますから、一番安心ですよね。
でも、今回の事件で不動産(特にマンション物件)の販売現場では、構造強度に関して質問する客が増えたそうで、被害にあったマンションの住民には気の毒ですが、世論という圧力が業界の浄化に繋がると良いなと思いますよ。

投稿: 飛魔人 | 2005年12月 2日 (金) 00時43分

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