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2007年8月21日 (火)

割り箸

先週の事だが、お盆当番で出勤したは良いけど、あまりに暇なので割り箸について、WEBを彷徨っていた。以前に紹介した「割り箸はもったいない?」に感化された訳では無いけど、杉の割り箸を使ってみたらその使い心地に魅せられてしまったんだなぁ。(笑)
そこでなんとか安くまとめ買い出来ないかと、WEBで販売業者を探してみたのだ。まぁ、結果から言うと一膳あたりの値段は、ホームセンターで売られているものとあまり値段が変らないなぁって事。一膳で10円くらいならロット単位が大きくなっても買う気になるけど、15円を越えると送料まで考えるとね。

でまぁ、気を落としつつも彷徨っていた訳ですが、その中でかなりの自称「えころじすと」な方々のサイトを訪れてみた。前々から感じていたんだけど、自称「えころじすと」な方々って、自分の意見っていうか視点って持っていないなぁって。要はテレビや新聞等(マスコミ)を通じて擦り込まれた情報に乗っかって、騒いでいるだけ。今なら「~を止て、地球温暖化を防ごう!」ってフレーズのオンパレード。
例えば割り箸に関して言えば、未だに「熱帯雨林の破壊に繋がる」なんて、時代遅れもいいところの主張をしているのもいるし、もう少しまともなケースでも「中国から大量の割り箸を輸入しているのは、中国の森林破壊に繋がる」だもんね。
まずもって、「熱帯雨林の破壊に繋がる」という主張は、割り箸にとっては濡れ衣もいいところ。確かに南洋材を日本が大量に輸入していた時代はあったが、これにより東南アジア圏の熱帯雨林が多大なダメージを受けた事は
事実であるが、その主な使用目的は製紙用のパルプ原料と合板等のエンジニアード「・ウッドの原料としての輸入だ。この事は私が小学校高学年か中学の社会科でも習った記憶があるのだから間違いない。
また、「割り箸がもったいない?」によると、パプア・ニューギニアにおいて70年頃に割り箸の生産と日本への輸出が始まったらしいのだが、そのきっかけは木材を輸入する日本の商社が、丸太材として不向きな部分が捨てられているのを「もったいない」と商品化したからだという。つまり資源の有効活用から始められた訳ですな。産廃として捨てられていた物を、割り箸に加工する事により付加価値を付けて日本に輸出した訳だ。
さらに東南アジア諸国は丸太材の輸出を禁じており、木材に加工して(つまり付加価値を付けて)の輸出に移行しており、闇市場を除けば持続的林業に移行しているともいえる。
以上の事から、WWFのいちゃもんが発端となった、「割り箸は熱帯雨林を破壊する」は真っ赤な嘘だと言うことが判る。

次に「割り箸は中国の森林を破壊する」について、考察してみる。実はこの案件は少々複雑である。まずは「何故、中国の森林は減少したか」の考察から始めなくてはいけないからだ。
まず燃料革命が起こる以前においては、世界中の森林は減少していたのが事実だ。その理由は一つには農耕・畜産の為に森林が伐採された事、そして薪炭材として伐採されていた事があげられる。石油やガスが当たり前に普及している現代の日本においては、あまり実感は無いのかもしれないが、私が小学校を卒業する70年代半ばまでは、地方都市では薪を使用していたのである。今でも山村へ出かけると、風呂は薪で沸かす家が少なくないが、私が住んでいる名古屋市内ですら、70年代半ばまでは薪風呂が使われていたのである。
以上の事を念頭において、中国における森林伐採を考えると、まずは増え続ける人口を抑制する為に「一人っ子政策」を私が知る限り、今以って解除していないはずだ。この事は食料増産を国策として進めざるを得ない訳で、手っ取り早く収穫を増やすなら、農地を増やすつまり森林を伐採して、農地に転用すると言うことになる。これを押し進めた結果、1998年に長江大洪水を引き起こすに至った。もちろん、単純に「森林を切り払ったから、洪水が起きた」という程、単純な物ではないのだが被害を拡大した要因の一つにはあげられる。この事件を契機として農地拡大から森林拡大へと、中国政府は政策の舵取りを大きく変える事となる。
さて、長江大洪水の原因は割り箸であったのだろうか?ここまでを読んでいただければ、その主因は割り箸には無い事はお判りいただけると思う。森林が減少したのは農地開拓と、燃料としての薪炭材利用なのだ。
もちろん、中国からの割り箸輸入量は、96年以後も伸びている。しかしこれにはもう一つ、中国の自然環境がもたらすからくりが控えている。

現在、市場に溢れている割り箸は、その「殆どが中国産を言って良い。試しにコンビニやホームセンターで売られている割り箸の、原産国表示を確認してみれば良い。ついでに原材料も確認してみよう。
コンビニなら100%、ホームセンターでも99%は中国製であり、原材料はアスペンが圧倒しているはずだ。希にエゾマツの表示が有るものもあるが、主力はアスペンのはず。このアスペンという聞き慣れない樹木はポプラの仲間であり、非常に成長速度が早い樹木で、一年間の成長量が幹の直径で30mmに達するものもあるという。30mm/年であれば10年で直径30cmですな。まぁ、平均値を六割程度と見込んでも10年の成長量は18cmでしょ?ここでポイントになるのが、98年の長江大洪水以後は大河上流の伐採を中国政府は、一切禁止した事。
実はアスペンは白樺と同様に、先駆種(パイオニア・プランツ)に分類され、伐採跡地などでは真っ先に勢力を拡大する植物。しかも近年までは伐採しても使い道が無い(せいぜいが薪炭材)とされてきた樹種なのである。最近では内装仕上げ材として羽目板等にも加工されたり、集成材にも用いられるようになったらしいけど、私はまさこの目で確認はできていません。つまり、「伐採後は燃やされるだけ」だったアスペンは、割り箸に加工される事で付加価値が付いていたって事。そして、長江大洪水から10年が過ぎようと言う今は、森林を健康に育林する為の間伐期になっている訳だ。長々と書いて来たんだけど、要は「中国製割り箸も、森林破壊はしていない」って事。
もっとも、原木の伐採をほぼ全面的に禁じられた結果、ロシアから割り箸用に輸入しているようでもあるけど、それもロシアが木材(特に丸太)輸出を制限し始めているので、今後はアスペンの間伐材に移行するのではないかというのが、私の予想。

ま、「割り箸は森林破壊だぁ」って言うなら、これっくらいの理論武装をしてから、主張して欲しいなと思う訳ですよ。今年の夏は長梅雨が明けた途端に、酷暑日が続いているけど、こういう報道があると直に「地球温暖化がぁ」って騒ぎたてるお銚子者だ出て来るんだけど、こういう輩もどっっこいどっこいだなぁっと。
気象と温暖化に関しては、改めてエントリを作ります。このエントリよりも諄くなるからね、覚悟しておくように。( ̄^ ̄)ヾ(^^;)


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