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2007年8月22日 (水)

割り箸と環境負荷

昨日に引き続き、割り箸をネタで。

「割り箸が森林破壊に繋がる」と信じている人々の間で、流行の兆しを見せているのが「マイ箸」である。つまり自分の箸を持ち歩き、外食の時にはその箸を使うというものだ。しかし、それが本当に彼らが唱える「環境に優しい」行為なのであろうか?また、弊害は無いのかを考察してみたい。

一人の日本人が一年に消費する割り箸の量は、概ね200~300膳と言われている。これは中国jからの年間輸入量を、日本の人口で割ると得られる数字。私の場合だと毎週末に二膳を必ず使うので年間で104膳。これにたまに飲みに行ったりする時の分を考慮すると、150~200膳といったところかな?当然の事ながら使い捨てるので、使用済み割り箸は可燃ごみとして焼却される事になる。で、これは果たして環境負荷になっているのか否か。
ここでちょっと視点を変えて、可燃ゴミについて見てみよう。一般家庭から出る可燃ゴミのうち重量比で80%、体積比で60%が「生ゴミ」である事をご存じだろうか?この生ゴミの重量のうち70~80%は水分であり、これは非常に燃え難いのである。生ゴミを燃焼させるにはまず、この水分を完全にとばしてやらないと、燃えてくれないのである。しかし生ゴミの中に割り箸の様な燃え易い物(割り箸は樹を乾燥させてから作られる)があれば、この水分を飛ばす為の熱源になる。つまり重油や電気の節約になるって事ね。さらに言えば、割り箸を燃やした際に排出される二酸化炭素は、もともとが空気中に存在していたものを空気中に帰すだけだから、二酸化炭素の排出量にはカウントされない(”カーボンフリー”と言う)。
では、割り箸を全面的に廃止した場合だとどうなるだろうか?実は前段で「生ゴミを燃やす為の熱源になる」なんて書いたけど、実際に割り箸の有無でどの程度の影響があるのかは不明だと言うことを白状して置く。で、一番の心配は衛生面という事になる。塗り箸等を使った場合、これを使用後に洗浄し殺菌する手間と、そこで消費される水や洗剤・消毒薬や電気は、環境負荷になり得ないと言えるのだろうか?「マイ箸」においてはもっと深刻で、例えば昼・夕食を外食した場合、昼食後の箸の管理を怠れば、箸が原因での食中毒を熾す危険性がある。もしお店にはなんの落ち度も無いのに、「マイ箸」の管理不足で食中毒でも起こせば、お店にとっては死活問題ですな。「マイ箸」信奉者は自業自得だから同情の余地はないけど、お店の信用を潰された方こそ迷惑な話だ。
お店が置箸に全面移行した場合でも、この衛生管理の問題は残る。そして衛生状態を保つ為に洗浄による汚水処理という負担が増えるし、殺菌剤の処理や殺菌設備の稼働のために、エネルギーが消費される事になる。
これらを「杞憂だ」と片づけるのはた易い事なんだけど、'70年代の河川汚染を身をもって体験して来た世代としては、汚水を増やす行為の方が遥かに良心の痛みを感じるんだよね。

さて、次に考察したいのは「割り箸は森林を破壊する」とい部分。昨日のエントリーでも少し触れたんだけど、中国製割り箸の材料になっているアスペン(ポプラ)は、確かに丸太から割り箸に加工されているのは事実。
しかしこのアスペンは、これまで薪にするか(燃やして熱源とするか)割り箸に加工するしか、用途が無かった樹木である。そして先駆種に所属するこの樹は除・間伐を行わないと、ある程度まで育ったところで共倒れになってすまう樹種でもある。とは言え儲かるとなれば、見境がなくなるのが共産圏のお国柄というか、途上国の宿命というか統制が効かない事もあるであろう事は十分に考えられる。そしてコスト面から外食産業で使われる割り箸は、殆ど全て(我々庶民が気軽に出入りできるお店では)中国のアスペンが席巻していることも事実だ。しかしアスペンの生態を考えれば、持続的な林業の構築は不可能ではないし、中国政府もそういう方向へ管理をシフトしつつある。
もっと下世話な事を言えば、素材の輸出では大して儲からず、収奪されるだけだから、何らかの加工品にして付加価値を付けての輸出に移行して行く事は、経済の基本だ。となれば、何れは計画林業へシフトする事は目に見えている。更に言えば、間伐の進まない日本の森林から、中国へ丸太(素材)を輸出して加工品を、日本へ輸入するビジネスモデルもできつつある。
おりしも、中国製品の品質に関しての不安が広がっている現状を鑑みれば、”割り箸はタダ”という意識を、我々がほんのちょっとだけ変えれば、収奪的林業から持続的林業へと中国の林業を、市場原理で圧力を掛ける方が得策ではないかなと、私は考えるのである。

この後は、世論を煽るだけ煽って、責任をとらないマスコミ批判につなげる予定だったけど、もう眠いので今日はここまで。


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