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2008年1月 5日 (土)

ワーキングプア

ワーキングプア―日本を蝕む病-NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班

「ワーキングプア」という言葉が、ニュースで耳にするようになったのは何時の頃からだったろうか。これまで私はこの言葉に漠然と「非正規従業員を指す言葉」と思い込んでいた。理由はなんだろうな。多分、バブル期に登場した、主にアルバイトをメインにして就職しない連中、所謂「フリーター」と呼ばれる(自称する)人々が現れた事からだろう。当時は「お気楽な連中だなぁ」と思いつつも、内心ではちょっぴり羨ましさも感じていた事もある。
しかしこの本を読んで”ワーキングプア”とは、そんな呑気なものでは無いと知って、かなりのショックを受けている。
”ワーキングプア”の語彙については、定まった基準というものはまだ存在していないようであるが、「就業しているにも関わらず、年収が生活保護水準以下」というのが大まかな基準で、各国でその判断基準が異なるのだが、概ね「その国の平均年収の20%未満」と考えられているらしい。そしてこの年収層に属する労働者数が急速に拡大しているところが大きな問題。
「働いても年収が生活保護水準以下というなら、働かずに生活保護を受ければ?」という意見もあろうが、この「生活保護制度」っていうのが、受給するのにメチャクチャハードルが高いそうで、マイホームを持っていると確実に却下。何がしかの預貯金があっても却下。例えば私の場合だと、ローン返済中とはいえ持ち家があるから受給出来ません。交通事故にでもあって障碍でも負って今の会社で働けなくなったら、即座に”ワーキングプア”です。

じゃぁ何故、”ワーキングプア(働く貧困層)”なんてのが拡大しているのか?いろいろな要因は有るのだけれど、「大企業の労働者からの収奪体勢」「大企業優遇の税制による、社旗福祉予算の切り捨て」って辺りが最大の原因かなぁっと。例えばトヨタ自動車は売り上げが一兆円越えを達成しても、従業員のベースアップは一切しなかったし、キヤノンも高収益が続きながらも社員への福利厚生費を一切廃止なんてしてるよね。
私は基本的に「自由競争市場である以上、ある程度の格差は是認すべき」って立場なんだけどさ、「業績が良い企業はそれを従業員を通して、社会に還元すべき」とも考えている。「社会に還元」なんて難しく感じるかも知らんけど、消費が冷えこめば市場が停滞するでしょって事。誰だって収入が目減りすれば支出を減らすでしょうが。
結果、「物が売れない→更なるコストダウン→収入の目減り→消費の冷えこみ」の悪循環に陥るだけ。バブル崩壊後のデフレスパイラルを拡大再生産してるだけなんだよね。

この本の内容は、NHKスペシャルの「ワーキングプア」二部作がベースで、放送では表に出せなかった(報道の公正・公平性故の)部分を、ノベライズとして取材班の主観も交えた内容だと思う(放送を観て無いんで)んだけど、この本に収録されている事例を元に、「もしも、自分の身に~」とシミュレートすると、背筋が寒くなってくる。
今、”ワーキングプア”に陥っている人々の救済も必要なんだけど(それも早急に)、その為にも「自分がワーキングプアにならない」事も救済策と同様に重大な問題だと思う。何故なら我々が納めている税金が、彼らを救う原資になるのだから。

P.S
トヨタ自動車やキヤノンのこきおろしも書くつもりだったけど、裏取りで手間が掛ったのでいずれまた。
まぁ、察しの良い方にはヘンリー・フォード氏の「自社で生産したクルマが買えるサラリーを」の理念を、煎じて吐くまで飲ましてやりたいで、判るかな。


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