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2010年6月11日 (金)

「はやぶさ」が遺したもの(帰還まであと三日)

「はやぶさ」の七年に渡る深宇宙探査では、小惑星「イトカワ」到着後に「機動スラスターの推進剤漏出」という、不測の事態が起った事で、その帰還ミッションは素晴らしく感動的なドラマになった。もっともトラブル等が起る事は、高額な(庶民からみれば)予算を注ぎ込んでいるだけに、許されない側面もあるのだが、ミッション運営スタッフの経験値を上げる事にも繋がっている訳で、その経験は今後のミッションに生かされていくだろう。

私が見ていて最も貢献したのは、「広報」の部分だと思うのである。正直なところ「イトカワ」到達まで「はやぶさ」の名前をどれだけの人が知っていたのだろう?打ち上げはマスゴミで取り上げられたか?
正直に言おう。私は「イトカワ」到達まで、「はやぶさ」の存在を知らなかった。ただ「MUSES-C」は記憶の片隅にはあった。その程度であったのだ。
しかしながら、「はやぶさ」が旅立ってからの七年で、WEB上で提供されるサービスが劇的に変化した。「はやぶさ」が旅立った頃には、せいぜいがプレスリリースをチェックする程度であった。しかし「イトカワ」に到着した2005年頃には「ブログ」が提供され、その直後に「はやぶさ」の遭難事故が起きている。そして遭難後に「はやぶさ」との通信が回復した頃から、「今週のはやぶさ君」が立ち上がり、「はやぶさ」の動向を追跡している航空宇宙ファンと、運用&広報チームとの双方向チャンネルが開かれた。
そして今年は「twitter」のブレイクである。「はやぶさ」の運用チームも早々に対応し(この辺りは、工学系揃いだから早いよな)、地球帰還までの運用をtwitterで流し始めた。更新頻度もブログとは比較にならないほど頻繁になり、我々航空宇宙ファンにとっては「リアル」な情報を入手できるようになった。広報もそれまでのマスゴミ向けプレスリリースから一転、地味な定時位置確認などを流す様になり、フォローしているファンは感情移入し易くなった。

「はやぶさ」は貴重な工学技術や運用技術をもたらしてくれたが、一航空宇宙ファンにとっては「地味なルーチンワーク」が淡々とこなされて行く様子を、我々に知らせてくれる道をも開いてくれた。
「はやぶさ」が遺してくれた財産は、見かけ以上に多くのものを遺してくれている。


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