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2010年11月16日 (火)

小惑星イトカワ由来の物質が確認された。

去る6月13日に七年ぶりに地球帰還を果たした、工学実証探査機「はやぶさ」が持ち帰った帰還カプセルの中の塵が、イトカワ由来のものである事が確認された。

JAXA公式リリース→http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html

記事によればサンプルキャッチャーA室とB室のうち、A室内のものについて確認されたとの事で、となると未だ未開封のB室にはより多くのイトカワの塵が入っている可能性が出て来た。
「はやぶさ」はイトカワに対して、二度のタッチダウンを行っているのだが、一回めは「不時着」と言っても過言では無い状態でのタッチダウン。二度めは予定通りの正常な姿勢でのタッチダウンであったが、この時にプログラムの不具合から、サンプル回収に必要な弾丸(プロジェクタイル)が発射されておらず、サンプルの存在は二度の大きなバウンドをした、一回めに期待が掛かっていた。
今回、塵の存在が確認されたA室は、本命であった二度めのタッチダウンの際に採取された試料が格納される予定だったもので、空であってもおかしく無かったのだが、そこにイトカワ地表の塵があったと言うことは、B室にはより多くの試料が期待できる事になる。

いやぁ~、行って還ってきただけでも凄い事なのに、本来の機能が作動しなくても仕事をこなして来るなんて、本当に”意思”が宿っていたって思えてくるよ。
私自身は前にも書いたと思うけど、「イトカワに到達できれば合格点」と考えていたから、イトカワへの二度めのタッチダウン後に通信途絶の段階で「終った」と思った。奇跡的に通信が回復した後も、帰還を二年延ばすと発表された段階で、「機体の設計寿命を超えるからなぁ、実験機だから運用ノウハウが得られるだけめっけものか」と考えていた。そして昨年の11月にイオンエンジン劣化による推力不足の時には、「もうこれまでだろう」と覚悟した。
しかし、予備回路によってイオンエンジンの再稼働に成功してからは、「必ず還って来る」と確信した。

「確信した」と言っても、根拠なんか有りはしない。強いて言えば一エンジニアの端くれとしての勘だ。
機械を相手にしていると、どれだけ頑張っても「性能以上の能力は発揮し得ない」事を、いやと言うほど目の当たりにする訳で、「終ったろ」と感じたのはそういう状況だったのだ。特にエンジンの劣化なんて事態は、部品j交換などの手段のない宇宙じゃ致命的なんだよ。
物理的にちうか、機械工学的に無理な状況を乗り越える事が出来た時、工業製品においては有る確率で起り得る”当り”の機体だったんじゃないか?
それに加えて運用スタッフの経験値も加速度的に増えていって、無理を掛けない運転技術なんてものも含めて「こりゃいける」と感じたんだな。

「イトカワの試料採取は、エキストラ・サクセス」ってのが、私の評価軸なので「はやぶさ」のミッションはとうの昔に「成功」してるんだけど、それでも「試料の採取にも成功していた」のは嬉しいなぁ。
今夜のお酒は、殊のほか美味いぜ。いつもの安酒だけどな。(笑)

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