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2011年3月23日 (水)

「冗長性」は無駄ではない

「トヨタ生産停止再延長 26日まで」 2011年3月23日

 トヨタ自動車は22日、東日本大震災の影響で見合わせている国内での車両生産の停止期間を26日まで再延長すると発表した。操業停止は11日間となり、計約14万台の生産に影響が出る。27日は日曜日のため稼働せず、週明け以降の対応はあらためて検討する。

 被災地域が広範囲に及ぶため、部品の安定的な確保が依然、難しいと判断した。今後は部品メーカーの復旧状況の確認や代替生産の可能性などを探りながら、生産再開の時期を見極める。

 トヨタは14日に、車両生産を停止。いったんは停止期間を16日までとしたが、その後、22日までに延長していた。修理用や海外向けの部品生産はすでに再開している。

 自然災害による同社の生産停止としては過去最大。2007年の新潟県中越沖地震では、部品メーカー「リケン」の主力工場が被災したが、生産停止期間は3日半だった。

 このほかホンダは22日、国内全工場での車両生産を27日まで延長すると発表。日産自動車は24日から在庫部品を使って車両生産を再開すると決めている。

中日新聞より http://www.chunichi.co.jp/article/car/news/CK2011032302000174.html


「無駄を徹底的に排除」する事で、低コスト生産を可能にすると言うことで、引っ張りだこになった「トヨタ式生産方式」だが、記事中にも有るように2007年の中越沖地震で部品調達が出来ず、生産停止に追い込まれるほど脆弱なシステムだ。この事は当ブログでも指摘した過去がある訳だが、「過去に学」どころか放置していたってのが情けない。
まぁ、阿呆はトヨタだけでは無く、弊社においても業務基幹システムが、サーバーが設置されている地区が東京電力の「計画停電区域」にあるので、年度末だっちゅうのに営業はお客様からの発注処理が出来ないわ、業務は請求伝票が起票できないわ、サービスはパーツが入ってこないわでてんやわんやしてるので、他所を笑っている場合では無い。
このような体たらくを招いた原因は、目先の利益にばかり囚われて、「冗長性」を無駄と決めつけて排除した経営トップの自覚の無さにあろう

「冗長性」とは何か?簡単に言えば「別の手段」の事である。今、この記事を読んでいる方ならパソコンをお使いであろう。そしてお使いのパソコンは一台だけだろうか。その一台だけのパソコンが故障したら、どうなりますか?
「いや、俺は古いパソコンも保管してあるよ」という方、その「古いパソコン」の存在が「冗長性」
なんです。更に「WEBでの検索程度なら、携帯でも出来るし」も同様ね。
「トヨタ式」の最も危うい部分は、この「冗長性」を徹底的に排除するところにある。部品の納入から組立ラインまで全てが「予定通り」に、それこそ「道路の渋滞」や「電力の供給」まで「予定通り」という前提に立っているので、予定外のイベントが発生すると、対応出来なくなってしまう硬直したシステムであると言うこと。
多少なりとも技術の事を齧った人間は、こんな柔軟性の無いシステムなんて恐くて使えないんだけど、目先の利益しか興味ない経済学部出の馬鹿は無駄と切り捨てる。
「危機管理」が取り沙汰される様になって久しいが、実際に行われているのは「危機に向かってまっしぐら」てのは、ブラックジョークでしかないんだがな。

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コメント

阪神淡路大震災の時にまだ私は会社にいた。工場勤めで商品の色々なレシッピを考えていた部署でその時にある種の物がないと製品ができなとわかった時から、それを教訓に「これがないときは他の原料を代用する」というレシッピを作り上げた。
その時以来、物流が台風等で途絶えた時にも工場は普通に稼動できた。

教訓は生かすももであり、忘れ去るものではない。
私の工場でも震災以降も「トヨタ方式」を活用しなさいとお触れが来たが守らない工場としてレッテルを貼られてしまいました。

しかし、当時の工場長も意識が高く、トヨタ方式の欠点を見抜いていたせいか上からの圧力を防いでいたと
当時を振りかえって話してくれました。
今は昔の話ですがね。、(笑)

投稿: GYO | 2011年3月24日 (木) 08時28分

GYOさん、こんばんは

やはり世の中には、物事の本質を見抜く方がおられるのですねぇ。工場長GJです。

私がトヨタ式の脆弱さに気付いたのは、1979年の東名高速日本坂トンネル火災の時で、トヨタ式を全面展開した新鋭の「田原工場」が、生産ストップした時でした。
その後、阪神・淡路や新潟中越沖地震やアイシンの工場火災、そして今回とシステムの硬直さに磨きが掛かっているとしか思えません。
一高校生が気がついた最大の欠陥を放置したまま、なにが「カイゼン」か。(大笑)

投稿: 飛魔人 | 2011年3月25日 (金) 00時11分

泥んこ遊びやらした自然児が少なくなった日本が見えますね。
お勉強ばかりしてるマニュアル通りがアカンかも。
異端児、これがスパイスになって世の中が面白くもなったり
新しい発明にも繋がる、、、、
マッサオ殿が宣っとります、、、
「俺は 異端児じゃあ、、」
でも、マッサオ殿は 馬年生まれのただの鹿追い人じゃあ!!

日本、頑張って〜!!
この未曾有の災害を転機に何か根幹の発想、技術が出て来るのを期待しております!!

投稿: 草刈マッサオの妻 | 2011年3月26日 (土) 00時30分

草妻さん、こんばんは

>お勉強ばかりしてるマニュアル通りがアカンかも
これね、ちょっと違うんです。
平時においてはマニュアル通りは大切だし、大変有効なんです。
また緊急時に置いても、マニュアル通りは決して無能ではありません。極限状態においては平時に繰り返し訓練した(ドリルね)以上の事は出来ませんから。
私が子供の頃に受けた「救急法」の訓練は、最初はマニュアルを見ながら包帯を巻いたり、三角巾の使います。
一通りの事が出来るようになたら、「目隠し」して同じことを出来るまで繰り返します。「事故はお天道さんの下で起るとは限らない」という想定なんですね。
更に目隠しで出来るようになると、「右手だけで」とか「左手だけで」とかで何回も練習する。
これ、マニュアル通りの訓練なんですが、繰り返す回数がね、ローティーンからハイティーンまで毎週(ってのは大袈裟)繰り替えされるとねぇ。

>この未曾有の災害を転機に何か根幹の発想、技術が出て来るのを期待しております!!
今回の災害、東京を襲っていれば大きなイノベーションも起きたでしょうけどねぇ。

投稿: 飛魔人 | 2011年3月26日 (土) 01時50分

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