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2011年3月25日 (金)

「ひまわり」はコスモクリーナーなんかじゃない

一昨日だったかの夕飯時、福島県での放射性物質による土壌汚染のニュースを見て妻が、「なんかねぇ、”ひまわり”を植えると良いらしいよ」と。
話しの前後が見えないのでよくよく話を聞いてみると、「植物が土中の汚染物質を吸い上げてくれる」という部分だけは判った。で、「吸い上げて植物内に取り込ませて、その後はど~すんだ?」と訊くと、きょとんとした顔になる。
そりゃ確かに土中の水と共に汚染物質を吸い上げて、体内に固定してくれるかもしれんけど、「ひまわり」は一年草なので秋には枯れる。その枯れた「ひまわり」には汚染物質が濃縮されている訳だ。これを燃やせば半減期の長い放射性物質は再び空気中に放出される訳で、全くの意味は無い。
とまぁ、その場では「汚染物質の吸収・固定については期待できるだろが、それによる汚染物質(今回は放射性物質)の濃縮も起り、適切な処理手法が無ければ意味は無い」って事で片付いた。

ところが今日になって、ツイッターで「ひまわりが放射性物質を浄化してくれる」的な話題が、急速拡散しているとの発言を発見。んで、あっちゃこっちゃと調べ周ってみると、どうやら大元は寒地土木研究所の2007年3月発行の解説書らしい事が判った。
件の資料を読んでみると、前段で私が指摘した事(汚染物質の固定化後の適切な処理が必要)についても記述されており、要は「一部の放射性物質を吸収・固定できる」という部分を、「除去できる」と思い込んだ情弱の仕業という事が判った。(寒地土木研究所による緊急補足

今回の件は「悪質なデマ」ではないが、2005年の愛知万博開催時に「ケナフを植えて、二酸化炭素を減らそう」運動と全く同じ動きだと思う。まぁケナフに関しては「外来生物を無節操に栽培すんな!」な意見が出て来ただけ救いはあったが、今回は「放射性物質の除去」という、健康被害に直結する問題の解決策として流れたので、「それ、デマだから」と指摘すると袋だたきに遭いかねないという深刻さも合わせ持っている。
他にも「放射線被曝には、味噌・醤油が有効」なんてデマも流れており、まともな理科知識を持っている人々が、火消しに躍起になっている。
1000年に一度の大震災+原発事故で不安なのは判らないでもないが、災害や事故の程度が深刻であるほど、出来る事をコツコツと積み重ねていくしか無く、「特効薬」的対応なんて無いって事を肝に銘じるべきなんだけどなぁ。

って事で、私の駄文よりも遥かに解り易い記事を見付けてあるので、以下のブログは是非とも読んで戴きたい。
→「原子炉事故とヒマワリ」http://powerbreathing.seesaa.net/article/192024691.html

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コメント

大体、植物の塩害で焼却灰から高濃度の塩分が出てくるくらいだから、どこかで蓄積される当たり前なのだが

まぁコンクリや水は放射能を通さないという観念からだと思うけれど、味噌や醤油はその類ではないかな。

流言流布てのは戸板に聞き耳立てて、断片的に聞きかじりして話すものだから、つじつまが合わない。
昔のハレー彗星のときの空気が足りなくなるからとチューブのタイヤが引っ張りだこと言う話を聞いたがそれと同じだね。

投稿: GYO | 2011年3月27日 (日) 22時10分

GYOさん、こんばんは

味噌・醤油の件ですが、チェルノブイリ原発事故の際に、甲状腺ガン予防策として安定ヨウ素の摂取に関して、「日本人に食生活では、味噌汁の具材等で安定ヨウ素を含む海草類を摂取している」事を勘違いしたものと思われます。
確か、援助物資として海草を具材としたインスタント味噌汁が、大量に送られたと記憶しています。

ハレー彗星の件は全くの無知が原因ですが、今回は「一部に事実を含む」から厄介ですよね。

投稿: 飛魔人 | 2011年3月29日 (火) 00時36分

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